その①
年代別に見る結婚式での和装マナー
着物にはたくさん種類がありますが、紋の数や模様の入り方などによって正礼装・準礼装・略礼装と格が決まっています。
結婚式に着物で出席する場合、どんなに高価な着物であっても格が低いのはマナー違反となるため、周りから世間知らずと見なされ新郎新婦に迷惑をかけてしまいます。
こちらではそんな失敗をしないよう、結婚式で着物を着る際の最低限のマナーについて解説します。
着物の格と種類について
- 正礼装打掛・黒留袖・色留袖(五つ紋)・振袖
- 一番格が高く、冠婚葬祭や公的な儀式などに着る着物です。
打掛は花嫁衣装。黒留袖は主に新郎新婦の母親やおばなど親族の既婚者が着る着物で、黒地に五つ紋、裾の部分のみ絵羽模様が入っているのが特徴です。
黒地以外が色留袖で、こちらは既婚・未婚ともに着用できます。
色留袖は紋の数によって格が変わるのが特徴で、五つ紋なら黒留袖と同じ正礼装、三つ紋や一つ紋なら準礼装となり、パーティーなどフォーマルな場以外でも装うことができます。
振袖は未婚者のみが着用できる着物で、全体に絵羽模様をあしらった豪華で美しいデザインと長い袖が特徴です。
尚、振袖は袖の長さによって大振袖(本振袖)・中振袖・小振袖の三種類が決まっており、大振袖は花嫁のお色直しとして、中振袖は新郎新婦の親族やゲストが着用します。
- 準礼装色留袖(三つ紋・一つ紋)・訪問着(一つ紋)
- 三つ紋や一つ紋の色留袖は五つ紋よりも格が下がるため、主に新郎新婦の友人知人などのゲストが着用します。
訪問着は肩の部分から裾にかけて絵羽模様が入っている美しいデザインの着物で、既婚・未婚問わず着用できます。
また、結婚式以外にも式典やパーティーなどで幅広く活用できる他、紋を入れれば準礼装として装えるのが特徴です。
- 略礼装訪問着・付け下げ・小紋・色無地・紬
- こちらは正礼装や準礼装よりも格が下がるため、カジュアルな結婚式にゲスト参加する時に向いています。
年代別で見る和装マナー
- 20代
- 20代で未婚の人は振袖が正礼装となりますが、既婚の人はたとえ20代前半であっても振袖は着られません。
その場合、親族ならば色留袖、ゲストならば訪問着を着ると良いでしょう。
- 30代
- 30代でも未婚の人は振袖が正礼装となります。振袖は成人式でよく着られるため、若い子が着るものという印象がありますが、本来は未婚であれば何歳まででもOKです。しかし、35歳以上で着るのが恥ずかしいという人もいますので、その場合は色留袖や訪問着を着ると良いでしょう。
また、既婚なら黒留袖を着ても構いませんが、普通は新郎新婦の親族が着る衣装のため、友人知人の結婚式に着ていくとマナー違反となりますので注意しましょう。
- 40代~50代
- 40代~50代で、新郎新婦の母親やおばといった近親者の場合は黒留袖、その他の親族やゲストの場合は色留袖や訪問着がベターです。
また、最近は40代の未婚者が増えていますが、さすがにこの年齢で振袖を着ていると違和感を覚える方もいますので、TPOを考えると色留袖や訪問着にしておいた方が無難です。
その②
結婚式で着物を着る時のアクセサリーとネイル
結婚式に出席する際、ドレスを着用する場合はネックレスやピアス、ブレスレットなどのアクセサリーを沢山つけて華やかに演出しますが、着物の場合は全てNGになります。
また、成人式の時はゴテゴテした派手ネイルでも問題ありませんが、結婚式で振袖を着る時にこれをしてしまうのもマナー違反です。
着物で上品な大人の雰囲気を演出するためにも、アクセサリーやネイルのマナーについて覚えておきましょう。
着物着用時のアクセサリーについて
- ピアス・イヤリング
- 基本的にどちらもNGですが、どうしても必要な場合は小さめで目立たないものにしましょう。飾りが大きなものや揺れるものはNGです。
- ネックレス
- こちらもNGですが、着けていても邪魔になるだけなので普通はしないと思います。
- ブレスレット・腕時計
- ブレスレットも同様です。また、着けていると着物に引っかけて傷つけてしまう可能性があるため止めておきましょう。
腕時計も基本は着けない方が無難ですが、どうしても必要な場合は文字盤の小さい目立たないものを選ぶようにしましょう。
- 指輪
- 結婚指輪や婚約指輪はOKです。それ以外でもシンプルなデザインのものであればOKです。大きな石が付いたものや、いくつもはめているのはNGです。
着物着用時のネイルについて
基本的に自爪でOKですが、仕事や家事で傷んでいる人も多いと思います。
傷んだ爪のままだとかえって失礼なので、その場合は透明色やパール感のあるマニキュアを使用すれば清潔感が出せます。
また、どうしてもネイルをしたい場合は、ベージュや淡いピンクでフレンチネイルにすれば、上品さと華やかさ両方を演出できます。
花嫁よりも目立つデザインのものや、石やラメが沢山付いたもの、長すぎる爪はNGです。ゴテゴテしていると着物に傷を付ける可能性もあるため、短くシンプルなものにしましょう。