
着物を着ると、背筋がピーンとなるような程良い緊張感を味わえますよね。帰宅するとその緊張感でぐったり・・・という方もいらっしゃるかもしれませんが、着物は脱いだ後のお手入れが大切です。そのお手入れ方法についてご紹介していきます。
<衿(えり)>
衿は一番汚れが付きやすい部分です。
汗やファンデーションがついていないかチェックしましょう。
<袖口(そでぐち)>
両手の袖口、特に内袖は汗や皮脂がつきやすい部分です。
埃汚れが無いかもチェックしましょう。
<裾(すそ)>
砂埃や泥跳ねが付きやすい部分です。
地面とのスレによる汚れが無いかもチェックしましょう。
<左前身頃(まえみごろ)>
食事をされた場合は、食べ物によるシミがないかチェックしましょう。
<裏地(うらじ)>
チェックを怠りですが、汗染みがついていないかチェックしましょう。
その他にも、汗をかきやすい背中や脇などに接していた部分は汗染みができやすい部分ですので、あわせてチェックするようにしましょう。
また、シワができていないかも必ずチェックしておきましょう。
汗染みの部分に霧吹きで水を吹きかけ、タオルなどでやさしくたたきます。
この時に水を吹きかけすぎると、生地が縮んでしまう恐れがありますので、吹きかける水の量に注意しましょう。
<ファンデーション・口紅など油性の汚れ>
着物の下に当て布をして、ベンジンをたっぷり染み込ませたガーゼで汚れている部分をたたきながら当て布に汚れを移動させていきます。
<お茶・コーヒー・血液など水性の汚れ>
着物の下に当て布をして、約15倍に薄めたもので汚れている部分を濡らし、ガーゼか歯ブラシでたたきながら当て布に汚れを移動させていきます。
<マヨネーズ・チョコレートなど油性・水性混合の汚れ>
油性の汚れの処置を行ったあとに、水性の汚れの処置を行っていきます。
<泥の汚れ>
ブラシで払い落とします。
水分を含んでいる状態のときは、完全に乾いてから行います。
着物用の豚毛のブラシもしくはカシミヤ用のブラシで払い落します。
このようなブラシが無い場合は、ベルベットやビロードなどの布やお化粧用のパフを使うといいでしょう。
陰干ししてもシワが残っている部分は、汗によってシワになってしまった可能性が高いので、汗抜きをしておくと、汗染み予防になります。
また、シワを伸ばす方法としてアイロンを充てるという手もありますが、生地が傷んでしまう恐れがありますので、できるだけ避けた方がいいでしょう。
汚れやシワの対処を間違った方法でしてしまうと、生地を傷めたり、色が抜けてしまったりといった原因になりかねませんので、対処方法がわからない場合は着物のお手入れのプロに相談するようにしましょう。
また、お手入れをできるだけ早くすることが着物を綺麗に保つ秘訣になります。
着物を脱いだら必ずチェックするようにしましょう。
着物のお手入れだけでなく、帯や半衿などその他の小物類も使ったあとはお手入れをしておきましょう。
【小物別お手入れ方法】
縮緬(ちりめん)の場合は、手洗いしてしまうと縮んでしまう場合があるので、自分で対処せずにプロに任せるようにしましょう。
塩瀬(しおぜ)
溜めた水に中性洗剤を入れ、数時間漬け置きします。
特に汚れがひどい場合は、布目にそって歯ブラシでやさしくこするといいでしょう。
すすぎは流水で念入りに行い、タオルで水気を切って陰干しします。
半乾きの状態になったら、当て布の上からアイロンを当て、シワを伸ばしておきましょう。
水気を切るときに絞ってしまうと生地を傷める原因となりますので注意が必要です。
ポリエステルなどの化繊の場合は、洗濯機で洗うことができます。
生地を傷めないために、必ず洗濯表示を確認しましょう。
どうしてもシミが気になる場合は、ベンジンを使ってしみ抜きを行うという方法もありますが、できるだけ自分で対処せずにプロに任せるようにしましょう。